ショコネ絵本20選(その2)

「もりのなか」
作・絵:マリー・ホール・エッツ
訳:まさき るりこ/出版社:福音館書店

娘が2歳を過ぎた頃、繰り返し読みました。それまでは会話調で話が進んでいく絵本ばかりでした。です・ます調の文章になった絵本をはじめて読んだというので、わたしの印象に残っているのがこの本です。子どもに本を読む時、最初にこどもが気に入ったかどうか大抵わかります。この本は、一読で娘のお気に入りになったようでした。モノクロの地味な色調。唐突にも思える物語の始まりが、ぐぐっと子どもの心をとらえます。家の周りとは違う、不思議な時間が流れるもりのなかでの、ぼくと動物たちの楽しい時間。ラストのおとうさんのセリフが大好きです。何度も何度もどうぶつたちに会いたくなるんですよね。


「はじめてのキャンプ」
作・絵:林 明子/出版社:福音館書店

5歳頃、ちょうど幼稚園ではじめてのお泊まりキャンプに行く頃、そんな時に出会いました。はじめてのキャンプ、お母さんから離れて友達とお泊まり。期待と不安。そして、無事帰って来られた充実感。そんな子どもの気持ちの推移が丁寧に、やさしい絵と共に描かれています。我が家の子たちも、はじめてのキャンプの前に何度も読んで、キャンプへの期待を高め、不安を和らげていました。絵本から児童書へ移行する時期に読むのに良い絵本だと思います。


「ももいろのきりん」
作:中川李枝子 絵:中川宗弥/出版社:福音館書店

自分が描いた絵が本物になるって、誰でも想像したものですよね、きっと。これは、そんな絵に描いた(本物になった)キリンと女の子の大冒険のお話です。わたしもあの紙ほしいなー。みんなそう思うのでは?即興で歌を適当に歌って笑ったのも楽しい思い出です。娘も息子も大好きでした。この本も絵本から児童書へ移行時期に読むのに良い絵本だと思います。


「おおきな おおきな おいも」
作:市村久子 絵:赤羽末吉/出版社:福音館書店

こどもが3歳〜4歳頃大好きでした。夢中になって何度も読みました。その年頃の子に読むには厚みがあるんですが、見た目から想像するより、読み始めるとさほど時間はかかりません。なにより、単純でリズム良い文とおおらかな絵、さらに内容は、日常からいつの間にか奇想天外なラストへの運びがすばらしく、子どもを飽きさせません。ちょうど子どもが保育園や幼稚園に通いだす頃に読んだので、子どもたちは、自分が園で過ごしている時と重ねて想像が広がっていくようでした。この本を介していろいろな話になったのを楽しく思い出します。そんな広がりもある絵本です。


「いちごばたけのちいさなおばあさん」
作:わたりむつこ 絵:中谷千代子/出版社:福音館書店

娘が大好きで良く読みました。いちごばたけをつくっているおばあさんなんて、メルヘンチックな小人?と思いきや、普通のおばあさんでどこかユーモラス。読んだ後、娘が「いちごってこうやって赤くなるんだね。」とつぶやいたのが思い出されます。いちごに全部色をつけたおばあさんが嬉しくなって、歌を歌います。わたしはその場その場で適当に歌うのでいつも違うメロディーになってしまいますが、そんなことも子どもはおもしろいのか、嬉しそうに聞いてくれたのが良い思い出です。読んでくれる人によって、メロディーが変わったり、下手でもかえっておもしろかったりして、良いみたいです。


「ショコネ絵本20選」明日も続きご紹介します。
※これらの絵本はウレシカ店舗でも販売していますが、会期中に売り切れた本もございます。何卒ご了承下さい。

「こども と ほん」Shocone 個展
〜8月15日(月)まで 12:00〜19:00

2011年8月13日 | おすすめ書籍・絵本